はじめに
化粧品EC業界は年々競争が激化しています。その中で、収益の安定化と顧客の囲い込みを実現する戦略として「定期購入(サブスクリプションモデル)」が注目を集めています。
特に、スキンケア用品や基礎化粧品のような“日常的に消費される商材”を扱うブランドにとって、Shopify上で定期購入を実現する仕組みは、リピート率とLTV(顧客生涯価値)を向上させる大きな武器となります。
この記事では、Shopifyで化粧品の定期購入を導入するメリットから、具体的な実装手順、さらには成功させるための工夫やアイデアまで、実践的な情報を豊富にお届けします。
1. なぜ化粧品ECに「定期購入」が有効なのか?
消費ペースが予測しやすい
化粧水、乳液、美容液、クレンジングなどのスキンケア製品は、およそ30日〜60日で使い切るのが一般的です。そのため、次回購入時期が比較的予測しやすく、ユーザーも「買い忘れ」を防げる定期購入は心理的なハードルが低いと言えます。
単発購入よりLTVが高くなる傾向
ある調査によると、定期購入を導入したブランドでは、導入前と比べて、平均注文額(AOV)が20%、顧客生涯価値(LTV)が29%増加したことがわかりました。これは、1人の顧客から得られる収益が大きく変わることを意味します。Recharge
広告費用対効果(ROAS)の向上にも寄与
広告で獲得した新規顧客が定期購入へ移行すれば、初回購入だけでなく複数回の収益を見込むことができます。これにより、広告投資の回収効率(ROAS)が改善されます。
2. Shopifyで定期購入を導入する手順
Shopifyでは、2021年からSubscription APIを正式サポート。以下のアプリを通じて、ノーコードで定期購入の仕組みを実装できます。
おすすめアプリ3選
アプリ名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
Recharge Subscriptions | 大手化粧品ブランドでも導入実績あり、分析機能が充実 | 有料($99/月〜) |
Loop Subscriptions | 顧客にも店舗運営者にも使いやすい、バランスの取れたUX設計が魅力 | 無料〜有料($99/月〜) |
Seal Subscriptions | シンプルな構成で小規模EC向き | 無料~有料($4.95/月~) |
大まかな導入の流れ
- Shopify管理画面から対象アプリをインストール
- アプリ管理画面で配送頻度(30日ごと、60日ごと等)や割引(10% OFFなど)を設定
- 商品ページに定期購入オプションを表示
- テスト購入
- 公開
3. 実践アイデア:定期購入を成功に導く工夫とは?
3-1. 定期購入契約の心理的ハードルを下げる
- お試しサイズから定期プランへの誘導
- 全額返金保証制度を導入し、安心感を提供
- 定期購入を初めて利用するお客様限定で、初回20%OFFを提供
3-2. 解約・スキップの自由度を明示
定期購入で最も敬遠されるのは、「一度入ると解約しづらい」という印象です。
あえて「いつでもキャンセルOK」、「次回スキップ可能」などの文言を目立たせることで、安心感が向上し、CVR(購入率)にも良い影響を与えます。
3-3. サプライズ要素を活用した継続率UP
- 毎月異なるミニサンプルを同梱
- 一定回数継続で限定ノベルティをプレゼント
- 購入履歴に応じたパーソナライズ商品の提案
3-4. 定期購入者限定の「特別優待ページ」を設置
たとえば、「VIP顧客専用ページ」として、非公開の商品やコンテンツ、限定クーポンを提供することも可能です。これにより、顧客ロイヤリティが強化されます。
4. ブランド成功事例紹介
Native — LTVを増加させ、解約率を15%削減、サブスク顧客数を142%増加
パーソナルケアブランドのNativeは、Rechargeを導入し、カスタマーポータルをカスタマイズすることで、以下の成果を達成しました。getrecharge.com
- LTVの増加:顧客がサブスクリプションを管理しやすくなることで、継続率が向上し、LTVが増加しました。
- 解約率の15%削減:顧客がサブスクリプションを簡単に一時停止や変更できるようになり、解約の抑制につながりました。
- サブスク顧客数の142%増加:ユーザーエクスペリエンスの向上により、新規サブスクリバーの獲得が促進されました。
Gnarly Nutrition — サブスク顧客のLTVを2倍に、解約率を大幅に削減
スポーツサプリメントブランドのGnarly Nutritionは、Rechargeを活用して、以下の成果を達成しました。Recharge
- サブスク顧客のLTVを2倍に:段階的な割引制度を導入し、非サブスク顧客と比較してLTVが2倍にまで向上しました。
- 解約率を大幅に削減:不要になった商品の受け取り延期など、顧客がサブスクリプションを柔軟に管理できるようにすることで、解約の抑制につながりました。
5. 定期購入が合わないケースと注意点
すべての商品に定期購入が向いているわけではありません。以下のようなケースは注意が必要です。
- アイシャドウやリップなどの“気分で使い分ける”商品
- 購入頻度が不安定な季節限定品やトレンドアイテム
すべての商品を定期購入の対象にするのではなく、相性の良い商品だけに絞って導入する方が効果的と言えるでしょう。
6. まとめ
化粧品ECの世界で生き残るには、単なる販売から“継続的な関係性の構築”への転換が求められています。その実現手段として、定期購入モデルは極めて有効です。
Shopifyの進化により、技術的な障壁は大きく下がりました。今回ご紹介したアプリやアイデアを活用すれば、中小ブランドでも十分に導入・運用可能です。
「一度売って終わり」から「信頼され、継続して選ばれるブランド」へ。
その第一歩として、ぜひ定期購入の仕組みを検討してみてください。
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